2016/03/25

浜田省吾vs佐野元春

今から35年ほど前に豪華な組み合わせのジョイントライブが、大学の講堂でひっそりと行われました。
その時の模様を覚えている範囲でお伝えしようと思います。

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今では考えられないというか、おそらく実現は不可能であろうという組み合わせのコンサートが、1981年11月19日に国立市の一橋大学兼松講堂で行われた。

当時のチラシ(フライヤーという呼び方はまだ無かった)には「浜田省吾&Fuse(Theが抜けているところはご愛嬌)vs佐野元春&&The Heartland」」と書かれていた。
チケット代金は前売り¥2,000、当日¥2,300という、今では考えられないような値段であった。

浜田省吾も佐野元春もまだブレイクする前の時代。浜田省吾はアルバム「愛の世代の前に」をこの年の9月に発表、佐野元春は2ndアルバム「ハートビートを2月に発表した頃だった。
両者とも注目度は上がって来ていたが、まだ時代が彼らに追いついて来ていなかった。

浜田省吾と佐野元春という音楽性は違えど、ある意味近しいジャンルのミュージシャン同士、しかもレコード会社もCBSソニー(当時)とEPICソニーという、同じソニーであってライバルのような存在。

当人同士はそんなことはなかったのかもしれないが、当日は何だか異様なピリピリムード。そんな状況の中でのライブが始まった。

ぼくは佐野さんもバンドのハートランドのメンバーもよく知っていたので、扉一枚で仕切られた隣り合ったお互いの控え室を行き来したりして、ハートランドの伊藤銀次さんやキーボードの西本明くんと談笑したりしていたが、双方のスタッフの間では緊張感が漂っていた(ように感じた)。

そんな何とも言えない雰囲気の中でのライブは始まった。
まずは佐野元春のステージから。

一曲目の「ハートランドのテーマ」から始まった佐野元春のステージは、非常にアグレッシブで素晴らしかった。
赤いストラトキャスターを持っている姿がすごく格好良くて、ちょっとエルビス・コステロにも似ていて、スタイリッシュでエネルギッシュだった。
ぼくも客席や舞台袖で観戦していたのだが、次に出番が控えているのも忘れるほど、佐野さんのステージに熱中した。

ぼくは佐野さんがこの年にリリースした二枚のシングル「SOMEDAY」と「ダウンタウン・ボーイ」を買って持っていて、とてもお気に入りのナンバーだったので、二曲ともやってくれたらいいな、と期待しながら観ていた。たしか二曲とも披露してくれたと記憶している。

そして何分かの休憩を挟んで浜田省吾のステージ。
割れんばかりの省吾コールの中、浜田省吾&The Fuseが登場すると客席が一気にスパークした。
佐野さんのステージで熱を帯びていた観客のボルテージは最高潮に達した。
翌年に日本武道館でのコンサートが決まっていたこともあって、非常にテンションの高いエンジン全開のパフォーマンスを展開した。

お互い一時間ぐらいの持ち時間だったと思うが、 佐野さんも浜田さんも渾身の素晴らしいライブだった。
残念なことに両者が共演するシーンはなかったが、とにもかくにもピリピリムードのジョイントライブは無事に終了。

浜田さんのステージをずっと舞台袖で観戦していた佐野さんの姿が印象的だった。

またこの二人のジョイントライブやってくれないかなぁ。くれないだろうなぁ(笑)

コンサート告知のフライヤー。

兼松講堂(Wikipediaより)