2016/04/01

佐野元春 #3 サングラス

1982年12月21、22日の二日間、浜田省吾さんのコンサートが島根県民会館で行われました。今回はそのコンサートではなく、その前日に同じく島根県民会館で行われた佐野元春さんのコンサートを表敬訪問した時のお話を。

++++++++++++++++++++++++++++++++

82年12月4日の熊本市民会館から始まった浜田さんの長いツアーも終盤に差し掛かり、ぼく達は18,19日と二日連続で倉敷市民会館でのコンサートを終え、20日に松江に移動した。ちなみに12月18日の倉敷公演からサックスの古村敏比古くんが参加することになるのだが、この話はまた後日詳しく。

松江に移動したぼく達は、この日佐野元春さんのコンサートが松江で行われることを知り、島根県民会館の楽屋を訪ねることにした。
会館の楽屋を訪ねると、横に細長い部屋に佐野さんとハートランドのメンバーがいた。
まだリハーサルが始まる前のようで、佐野さんはハートランドのメンバーと談笑していた。
ぼくは伊藤銀次さんや西本明くんと久しぶりの再会を喜び合った後、佐野さんのところに挨拶に行った。

「佐野さん、ご無沙汰してます。」「やぁ、板倉クン、久しぶり!今日は訪ねて来てくれてどうもありがとう!」例のちょっと独特な口調で佐野さんが言った。
佐野さんは、明日松江で浜田さんのコンサートがあることを知っていたようで、ぼく達の突然の訪問にもさして驚いた様子はなかった。

佐野さんと握手を交わした時、ぼくも佐野さんもすぐにあることに気がついた。
何と偶然にも二人とも全く同じサングラスをかけていたのである。

すかさず例の口調で佐野さんが言った。「驚いたなぁ。ぼくと同じメガネ(確かサングラスではなくメガネと言った)をかけている奴が他にもいたんだ!」「あれっ、ぼくもビックリしました!佐野さんもクラフツマンシップで?」「うん、そう。板倉クンも?」「そうです。」
「まさかぼくの他にこのメガネをかけている奴がいるとは思わなかったなぁ。」またまた例の口調で佐野さんは言った。

ぼくはジョン・レノンが、Starting OverやWomanのプロモビデオでかけていたサングラスが気になっていて、いろいろと調べたらどうも青山のクラフツマンシップというところのサングラスらしい、と言うことが分かった。
クラフツマンシップは、白山眼鏡の白山将視氏が1980年頃に東京の青山に出店したメガネ店で、ジョン・レノンが愛用していたことで一気に有名になったお店である。

早速ぼくはお店の場所を調べて行ってみた。クラフツマンシップは青山通りを赤坂方面に向かって、外苑西通りを左に折れ、神宮前三丁目の交差点を曲がった坂の途中にあった。
こじんまりとした店内に入るとすぐにそのサングラスはあった。ジョンがそのサングラスをかけている写真も展示されていた。

ちょっと値段は張ったけど、嬉しくてすぐにジョンと同じ色とデザインのサングラスを買った。後日色違いの同じデザインのものも買った。
ぼくはクラフツマンシップのサングラスが好きになって、他にも何個か購入して愛用していた。しかしそのうちのいくつかはツアー中に無くしてしまった。すごく悲しかった。

この時、ぼくと佐野さんがかけていたサングラスも、ジョンがかけていたものと同じサングラスだった。佐野さんのシングル「Sugar Time」のジャケットで、このサングラスをかけている写真が使われている。

佐野さんとは同じ東京生まれの、学年は違うけど同じ年。そのせいかどうかは分からないが、ぼくは佐野さんの音楽のスタイルやファッションセンスに、一方的にシンパシーようなものを感じていたので、この偶然の一致は妙に嬉しかった。

しばらく佐野さんとジョン・レノンのことやサングラス談義をして、ぼくは楽屋を後にした。
勿論コンサートも観戦したのだが、サングラスのことのインパクトが強すぎて(笑)、失礼ながらコンサートの内容は全然覚えていない。

これがお揃いだったサングラス。